いつもの謎腹痛かと思ったら盲腸で1週間入院した話 #02
●前回のあらすじ
自律神経由来の胃腸の不調に悩まされてきた自分。
今回の腹痛もまたいつものそれだろうと思ったら盲腸+腹膜炎で、緊急手術入院することに。
●術後
幸いにも開腹手術は免れ、穴を開けるだけで済んだため、手術の時間もさほどかからず。
とはいえ全身麻酔がガッツリ効いていたため手術後の記憶は曖昧で、携帯の記録を見ると22時頃に目を覚ましているようです。
気が付くとベッドの上でふくらはぎにマッサージ器(?)をつけられたまま横になっていました。
要はエコノミー症候群的な、むくみ予防だと思うのですが…
特に気持ちいいという感覚はなく、ただただ一定間隔で足を締め付けてくるリズムに非日常を否応なく感じさせられました。
そして早くも入院0日目の夜に、試練が訪れます。
●1日目
手術から12時間後。痛み止めを点滴してもらってはいるものの、慣れない環境なのも相まって寝つきの悪さに苦しんでいました。
これにプラスして辛かったのが隣人ガチャの失敗です。
自分より数日前に入った中年男性だったのですが…
百歩譲って大いびきは仕方ないとしても、
皓皓と読書灯を点けたまま寝るのは本当にやめろ。
今思い返しても腹が立ってくるんですが、当時は心の中ですら怒る気力もなく、ただただ起床時間を待っていました。
6時になり、朝の検温と朝食準備(自分はまだ絶食中ですが)の音で意識が戻ります。
通常、盲腸などの手術をした後は腹部に廃液がたまらないよう、管をつけたドレーン(点滴の袋のようなもの)を患部から下げたまま過ごさねばならないのですが、自分は腹膜炎の手術も行ったため、都合2個のドレーンをぶら下げる羽目になってしまいました。
まずもってこれがしんどい。
メスを入れた箇所でもあるので当然なのですが、腹筋を使うあらゆる動作で鈍い痛みに襲われるのです。
最初のうちは起き上がる時も看護師さんの介助に頼らざるを得ず、咳払いはおろか、痰をきろうとするだけでも激痛が走ります。
あまりに痛みが当然になりすぎて、最終的には「この動作も腹筋使ってたのか…」と関心してしまうほどでした。
そしてこの状態における、一番の大仕事はトイレです。
・歩く
・便座を上げるために前かがみになる
・下着を上げ下ろしする
・手を洗うのにまた前かがみになる
腕からは点滴、腹からはドレーン×2という状態で、一動作ごとに痛みを覚えながらこれらの動作をこなすのが、ここまで大変なのか…と。
そんな中、長くても10日ほどで退院できますからね、という言葉がとてもありがたかったのを覚えています。
心理的な負担をやわらげるのも医療なのだなあと、つくづく感じました。
●2~3日目
盲腸について、うっすら自分が知っていたのは「屁が出たら回復している」ということ。
担当医からの説明でもその旨を告げられ、ひたすら屁を心待ちにしていました。
微熱も続き、それと並行して初日から続く隣人の大いびきと、昼間のTVを見ながらの独り言に耐えながら過ごしていた2日目の夜。
なんと!
とうとう!
屁が!
出ませんでした~~w
…というような、出口直前で小さいガスが止まる状態が昼間に何度かあり、また今回もそれかなあと諦めていたところ…
出たぁ~~~~

人間というのは本当に不思議な生き物です。
状況次第では、屁が出ただけでここまでの達成感を得ることができるのですから。
屁が出た旨を担当医に伝えると、3日目の昼から食事(ジュースのみ)はじめましょうということに。
入院あるあるかもしれませんが、ベッドで横になり、ポツリポツリと落ちてくる点滴のしずくを眺めていると、
「自分は今、生きているというより生かされているんだなあ」
と感慨深い気分になってくるのです。
ジュースの正体はネスレのアルジネードウォーター。
優しい味のスポーツドリンクで、健康な状態ならすぐ飲み終えてしまうような分量でした。
しかしながら、術後初めての食事という興奮もプラスされてか、自分の口から栄養を摂取しているという事実に、少し元気が湧いてきました。
折しも、入院当時はアニメのダンジョン飯が始まってすぐの頃。
生きることは食べることという世の理を、白いベッドの上で一人、再確認させられたのでした。
つづく