現場監督でしょ。と君が言ったから

 

3月4日はakagi記念日

 

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音MAD作者であり、ニコニコのAviutlコミュのオーナーであり、バトルドーマーであり、コマンドーファンであったakagiさん。

積極的にネタにするけど染まり切らない、淫夢語録との距離感も絶妙で、頻繁に作業配信生をしていたakagiさん。

何より、音MAD界隈におけるAviutlの普及にユーザー側の立場から尽力されたakagiさん。

 

 

 

 

 

 

彼がそう言い残したまま消息を絶ち、今日で10年が過ぎました。

今、どこで何をなさっているのでしょうか。

 

最悪の事態を想像したこともありましたが、垢バレなどの事情でネットから完全に足を洗ったというわけでもなさそうで、ニコニコのアカウントは今でもプレミアムのまま

プレミアム会員の値上げのニュースを聞いた時、真っ先に思い浮かんだのはakagiさんのことでした。

直近の呟きには、プロバイダの料金を払い忘れてネットを止められていたとの書き込みもありました。プレ垢料金を携帯代に紐付けしたまま、忘れて暮らしていらっしゃるのでしょうか。

akagiさん!月額払いは損ですよ!!

 

 

この10年間で音MAD作者の動画編集技術は相当に底上げされました。

AEといえば「●●という音MAD作者がAE割ってバレて垢消ししたらしい」「わかむらP」「非常食先生」くらいしか話題がなかったような時代から、かなり当たり前にAEで動画を作る作者も増えたように思います。

 

しかし、フリーウェアの動画編集ソフトの中でも依然として高い使用率を誇り続けるAviutl。かつてはvegas(シェア)、Nive(フリー)が主流で、専らエンコード用に使われていた時期もあった中、どうやらなんか使えるらしいぞと拡張編集の便利さが気付かれ始めた頃、akagiさんは生放送を通じて積極的にAviutlの使い勝手の良さをアピールされていました。

 

たくさんの人たちが精力的にスクリプトを開発し続けていることも大きな理由ですが、この界隈における今日の普及率の高さに関しては、彼の草の根運動が果たした役割は決して無視できないでしょう。

 

 

また、最近ではすっかり定着した、音MAD作者による定期的なトークバラエティ的な生放送。

バトルドーム好きだったakagiさんは、その盛り上げにも力を惜しみませんでした。

 

バトルドームラジオ、通称バトラジ。

 

30分枠で、作者に限らずバトルドーム愛する人たちと語らうというシンプルなスタイルながら、巧みにトークを引き出すakagiさんのスタイルは、多くのバトルドーマーから愛されていました。

チャー研や淫ク☆のような一部の例を除いて、近年の音MAD界は各素材ごとのコミュニティがあるというより、(有力な)音MAD作者コミュニティの中に内包されているという表現がしっくり来ますが、10〜13年前辺りまでは素材ごとのコミュニティがある程度確立しており、一種の内輪ネタ的にその素材のコミュニティ内で人気を博した動画というものも存在しました。

バトラジ、これに加えてバトルドームコミュでの生放送・通称バト生(ボト生よりも前からこう呼ばれていた)ではそうした作品や作者にもスポットを当て、見た目のマイリス・再生数だけでない、界隈内での評価という新たな評価軸の確立にも一役買っていたように思います。

 

 

関東チャラ男でお馴染みのレナウン娘のCMを子供の頃に見たことがある、と語っていたakagiさん。具体的な年齢を明かされていたような記憶もありますが、健康に過ごしていらっしゃいますでしょうか。

バトルドームのように突然復刻せずとも、どこかで元気に暮らしていらっしゃればそれで良い、と思いつつも、あなたの帰りを待ってしまう自分がいます。

 

そんな気持ちをこの10年、抱き続けているのはきっと、私だけではないことでしょう。

 

今となっては二度ともう、答えは返ってこないのかもしれません。

でも、これだけはどうしても教えてください。

 

 

現場監督でしょ。ってなんだよ