・単純に動画をいっぱい見る余裕がなくなった
・1年ほど経ってから決めた方がより冷静に、また投稿時期の差が少ない状態で評価できる
という点もあるのですが、むしろ
・本来なら自分の中で120点の動画を10個選びたいが10個も出てこず、かと言ってその中に
80点の動画を混ぜるのはその作者さんにも失礼だし、自分の中でもスッキリしない
…という思いがここ数年は強く、だったら投票しないでいいや、となってしまっています。
ニコマス20選のように、動画1本から参加可能であれば良いのですが…
ということで、この記事では現時点での2017年の10未満選を備忘録として
書き残しておこうと思います。
●新宝島社
タイトルオチをタイトルオチで終わらせない、丁寧な動画ですよね…
というかこんな組み合わせ思いついても作りきろうと思わないでしょ普通…
前半のピッチシフトも、後半のウグイス嬢に歌わせてみたシリーズ的展開も、
手法としては過去に例があるんですが、このままピッチシフトで続いていくと
思いきや!という展開の裏切りが実に鮮やかです。最後のBBボケ集も好き。
現在に至るまで通勤さんの動画、どれも本当に好きなんです。
とりわけこの年は特に「通勤さんの新作が見られる」ことが動画づくりの
モチベーション維持にも繋がった側面もあって、本当に感謝しかありません。
●ドラゴンフォース田中
Through The Fire And Flamesの淫夢MADかと思って軽い気持ちでクリックしたら
斜め上の展開で大草原だったんだよなぁ。
この系統の歌謡曲をスピードアップしたらメロスピになる、という全くこれまで
気が付かなかったことを最高の食材で絶品に調理してくれたような動画。
Bメロの転調は原曲の時点で好きだったんですが、こういう形で
アレンジされるともうドラフォにしか聞こえなくなってしまって、
原曲聞いた時に思い出し笑いしそうになっちゃうんですよね。
歌詞の世界観もドラフォというか、エメラルドソードにしか見えなくなっちゃうヤバイヤバイ…
ってコメントもすき。
●てくてく
作者として絶命する寸前にこの動画の温かさに救われて生き返ることができました
本当にありがとう●職人のキリコッジ
音・動画(静止画)ともに少ない素材を使って力技でねじ伏せていくような
作品が大好物なんですが、この動画は原曲補正も相まって何度も聞き返していました。
一瞬の静寂の後に絶叫しながら一枚絵で動きまくるかな子と智絵里の「圧」に惚れます。
ビカビカにグローかけまくった画面に切り替わるところも、万華鏡を初めて
見た時のような、暗闇の向こうに突然美しい景色が現れた時のようなカタルシスを感じて
心地よさが半端ないです。こういう動画がもっと見たいし、評価されてほしいですね…
●膳
動画に独自の世界観を持っている作者さんに憧れるんですが、kあっぷるさんは
まさしくその筆頭だと思います。この動画に限らず
「全く予測できない展開を矢継ぎ早に見せられる」
楽しさに溢れているのが氏の作風の特長ですよね…
あんなに皆ノリノリで膳神輿を担いでたのに、最後容赦なく付き落とす
舞妓はんの無慈悲さ何度見ても笑う。
毎回「ランカー級の腕前で音ゲープレーされてる最中にこんなこと脳内で
考えられるのかな…」という想像をしてしまっています。kあっぷるさんごめん
●どうしようもなく
この年以降流行った、いわゆる「音MADユニバース」というジャンルによって、
音MADにもストーリー性を重視されるような傾向ができつつありますが、真っ向から
それを壊していくような、終始「意味のない」フレーズが、郷愁をかきたてる映像と
共に繰り返されるのがたまらなく好きです。
力技かと思いきや、よく音を聞くとアルペジオやベースラインをなぞるといった
丁寧な仕事をしていることにも気づかされて、一層「なんでこの内容にここまで時間を
費やしたんだ…」という思いが強くなります。
何度も聞いていると、だんだん「意味がなくてもいいんだよ」と優しく寄り添って
くれるかのような温かさすら感じてきて、聞くほどに味わい深い動画でした。
●白金シャケ
間違いなくこの年一番の怪作。これは絶対に10未満選から外れません。
何もかもが想像の範囲を超えてて、ひたすら笑っていました。
鮭頭にギャツビー下半身合わせる発想も、「一緒に踊ろう」の歌詞を残したまま
枠がついて動画が進行する構成も、肝心のサビを「シャケだー!」ではなく
落下物の打撃音メインで作りきるところも、その部分の動画がシンプルでシックなのに
音声は対照的にめちゃくちゃやかましいところも、全てが大好きです。
こうやって面白い箇所を言語化していくのがもったいないと思ってしまうくらい
好きなんだなあと、この文章を書いていて改めて気が付きました。
●\ユウカッテオチャメ!/
めっちゃくちゃスマートですよね…
まず素材にしやすい絶叫系の声が少ないのに、きちんと曲の起伏に合わせて
盛り上げどころを作っているのが「匠の技」という感じです。他にも
・「みじん切りします!」の後で原曲がダンソンに合わせて刻まれてる
・オバアチャンデス!→おばあちゃんだぞー→Overture
・前半のチャプチェ→後半のキャンプ→キャプテン
対象となるアイドルへの愛を感じました。
坂道系に限らずアイドル全般には疎いんですが、愛情表現として昇華されている形の
音MADを実写でも見ることができるとは、という驚きと喜びを覚えた動画でした。
●Juggler's Hotness
動画ももちろん面白いんですが、個人的に注目したいのは音の方なんですよね。
この作品を選出されてる作者さんがほとんど音についてコメントしてないのが悲しい…
この音声の凄い所は
①原曲の音に対する素材の音選びの秀逸さ(原曲に近いニュアンスの素材を選んでいる点)
②素材の言葉のイントネーションと原曲の抑揚がバッチリハマってるところ
の二点に集約されると思います。
簡単なようでいて、この二点を意識して作るの難しいんですよ…
特に繰り返し出てくる「しじみパッション!」は①②の両方を満たしてて、
原曲を聞いてもそのフレーズが勝手に脳内再生されてしまう中毒性を備えてます。
原曲の声ネタに関してもピッチシフトしない状態で、それに近い抑揚の語録を
探して当てはめているところがまた凄い。
自分の中ではOshakasama Scramble!のような、近年におけるピッチシフト型の
音MADの理想の一つです。
●そのほか印象に残った動画