選曲5選

ヤマザキ天空のまつリニッジ




そもそも「春のパンまつり」に対する「秋の菓子まつり」という、
素材に対する着眼点がこの作品の見どころなのですが、
曲との相性という点もすごく印象に残るんですよね。

特にサビにかけて、ものすごく自然に入ってくるアコーディオンの音色。
一瞬原曲かと見紛う、もとい聞き紛うかのような美しさです。
バックの手拍子も相まって、演奏に合わせて皆で踊るような…
ケルト風の衣装の人たちがくるくる回っている、収穫祭ぽささえ感じさせます。

そして西洋の秋らしさを感じる前半から一転、
日本の「あき」が唐突に動画をジャックし、豊穣の喜びをしみじみと歌い上げる…

大きめのたか子フェイスを見ながら、最後に、はたと我々は
この動画が「西洋と日本の秋の対比」ということに気付かされるのです。




●銀河最強の悪人



自分はスプラッターが嫌いなのですが、この動画には何故かつい見てしまう、
不思議な力があります。演出力のなせる技でしょうか。
原曲のダークな雰囲気を素材が飲み込んでいくというか、乗っ取っていく感覚。

あと全体を通して、適度に台詞をリズムに合わせず配置しているためか
淡々とした「劇中劇」みたいな雰囲気も感じます。
0:40〜あたりの銃撃でリズムを取りつつ切り替わっていくところとか。
曲の盛り上がりでショッキングな映像もってくるのも映画っぽいですね。




●旧独裁国街道を行く



特定の曲を聞いたら特定のMADが思い浮かんでしまう、というのは
ある意味支配に近い現象だと思ってます。その代表例ではないでしょうか。

とりたてて、めちゃくちゃ好きなわけではないのに、何故かずっと
耳に残る動画ってありますよね。それです。




●当たります!!




このMADに関しては、投稿当初の状況について留意する必要があります。

同素材を初めて使った作品なのに、タグロック

「当たります!!」

だけという潔さ。多くの観者は「?」となったことでしょう。
聞いているうちにジト目マニアさんらしい、ベースまでしっかり
作られてる良作だなーとなりますし、素材しか知らない人は
ローカルCMmadとして見ていただろうことが、コメントから窺えます。

しかし実はこの作品、選曲そのものに意味があるのです。
原曲のTRINITY ARROWは、ポップン18のイベント曲。
ポップン18は戦国時代をテーマとして、複数の都道府県に
曲が割り振られているのですが、この曲は広島県に配置されています。

そして、素材となっている「TSS味なプレゼント」もまた、「広島のローカルCM」。
すなわち、動画内には一切説明がないのですが、広島という共通項によって
曲と素材とが結ばれているわけです。
分かる人には分かる、というシンプルなタグロックが醸す無骨さと、
裏テーマに気付かされた時のしてやられた感。
これこそ「選曲」を語る上では外せない作品だと思います。




●The setting 3700



元ネタのコントの音程を、部分的にほぼ変えずに使っている凄さ。
しかもそのメロディが原曲にないのに、何故かピタリとはまる気持ち良さ。
そこから今度はピッチシフトによって、素材が曲にピッタリ寄り添っていく気持ち良さ。

原曲を全く知らない状態からでも観者を一気に引き込む、
こういう強いエネルギーを持った動画を作りたいものです。

「2700はこの面白さのつもりなんだろうなあ」というコメントは悲しくなるので…
やめようね!



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【別格】
◉【バトルドームバトルドームバトルドーム



選曲というかタイトルというか
真面目にツクられているところもさらに笑いを誘います